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メール・マガジン
「FNサービス 問題解決おたすけマン」
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★第033号 ’00−02−25★
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四つの思考パターン
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●評論家や解説者
によくある語り口ですが、「〜の原因は三つあります」や「〜対策としては二つ
考えられます」という、<数>で締めくくる断定型。 何となく自信タップリの
感じですな。 より正確には、「私見ですが、」とか「現時点では、」のような
<限定>を伴わせるべきですが、語り手の確信がそれを省かせ、その省略が
断固たる雰囲気を醸し出す。 その度が過ぎれば、時にハッタリめくことも。
しかし
Rational Process が唱える「基本的な<四つ>の思考パターン」は、自信やハッタリに無関係。 間違いなく、研究の結果、だからです。 が、そう
言うこの私も、初めて受講したEM法セミナーで「問題解決に四つのアプローチ
がある、、」と切り出された時は、少々抵抗を感じないわけに行きませんでした。
それが、すでに27号で述べた通りの、
・何が起きているのか?
・何故そうなったのか?
・どう対処するのが良いか?
・それでまずいことは無いか? だったのですが、、、
「え? そんなことで、仕事がらみの厄介な話がほんとに始末できるのかね?」
しかし、こう首を傾げたのは私だけではないらしい。
その後、講師として喋るようになってたちまち、これが「よくある質問」の一つ
に過ぎなかったことを知りました。 だから、当マガジンの読者だって、、、
そこで今回、その辺を解きほぐしておこうか、と。
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●いずくより来たり、
いずくへ去るか、、、は、お釈迦様も苦しまれた人類永遠の謎です。 我々は皆、
時間という<川の流れのよう>なものの上を、過去から現在へ、そして現在から
未来へ、と旅する身です。 その道が困ったことに、あまり平穏無事ではない。
「こうあるべきだよナ」と思うのに、そうならない。 つまり<問題>が、過去
から現在、そして現在から未来へ、と尽きることなく降りかかる。 いわば人生、
<問題の流れのよう>なものですな。 「これまで色々あったが、今はそれ以上。
これからも、イヤになるほどあるだろう、、、」。 で、どうしますかね?
*
たとえば「これまでの問題」に対して、いったい何が出来るだろうか?
もう起きてしまったこと、今更どうにもならない。 何かするとしたら、後々の
ため、なぜ起きたのかだけでも突き止めておこう。 だいたい、うまく行くはず
のことがそうならなかったのは不思議。 いつもはこうじゃないんだぜ、、、
で、「何故そうなったのか?」と考える、、のが「過去から現在まで」の問題に
立ち向かう時の思考パターン、でしょうな。
* *
そして今、「現在」という時点では、何が出来るだろう?
「これまで」の諸問題の後始末か、そこからの挽回か、いっそ新展開か、、、
色々な案があるでしょう。 みんながその気で考えれば、もっと思い付く。
しかしヒト、モノ、カネ、時間、技術、、、経営資源には限りがあります。
すべてに手を下すわけには行かないし、どの案にも一長一短がある、、、。
そこで考えるのが、「どれで行くべきか?」 即ち、意思決定。
* * *
しかしどの案に決めたところで、今日はそこまで。 手を下すのは明日から。
明日以降とは、近くも遠くも、とにかく<未来>。 そこが厄介なところ。
いくら知恵を絞ったにせよ、それは「今」の意思決定。 その案を実施して
行くに際し、その先々で何も<問題>が起きずに済むとは思われない。
ある時点で、「こうなるはず」と期待していたことが、「そうはならない」
、、かも知れない。 その不安から、きっとこう考えます。 「それ(即ち、
その意思決定)で、何かまずいことはないだろうか?」と。
<不安>の特徴は<対象不特定>。 <漠然たる不安>なんて言いますね。
漠然と悩んでいたら答は出ない。 で、シミュレーションを行ない、段階を
追って対策を準備します。 いずれ現われ得る、が今は潜在しているはずの
諸問題を描き出し、それぞれに「備え」ることによって「憂いなし」とする
* * * *
、、と綴ってみると、毎度ながら何ともアタリマエなお話でしかなくなる。
つまり、<問題>が過去〜現在〜未来という時間軸のどこに位置するかで、
取り組み方が異なるのは当然。 まず原因を明らかにし、次に対策を決める。
それを成功させるために工夫を凝らす、という3種類の思考パターンです。
特には意識せずとも、我々はこれらの一つ、またはいくつかの組み合わせで、
問題と取り組んでいるはず。 だが、問題が一つ、ということは滅多に無い。
色々な問題が錯綜する現実世界。 「色々」に対処するには、前記3種類の
ほか、<全体を把握する>考え方が必要になる。 どんな問題があるのか、
どれから手を下すべきか、という。 それが状況把握のパターンです。
前3パターンが、過去〜現在〜未来の時間軸<上>での思考だったのに対し、
これは時間軸全体を<側面から>見渡すような思考です。 計4パターン。
これらを図式的に配列してみると、、、「よくある質問」の答は出ますね。
即ち、(あらゆる問題が)「4パターンで始末できる」のです。
以上の説明では不十分とお考えの方は、どこがどのように、と具体的に
お問い合わせ下さい。 また、幸い?<この4パターンで応じ切れない
ケース>を思い付かれましたら、是非メールして下さい。 <定説>を
くつがえすことが出来たら、、、は、私の期待でもありますので。
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●
Rational Process の歴史
を振り返りますと、この4パターン、初めから全部、しかもバランスよく
揃っていたわけではありませんでした。 ローマは一日にして成らず、、、
ケプナーとトレゴー、1965年の共著
" The Rational Manager " の日本語版は、昭和41年、産能大出版部から「管理者の判断力」として出されました。
が、全11章のうち第9章までが「原因の究明」。 残る2章が、決定分析と
潜在的問題分析。 当時「状況把握」は未だ独立した形になってはいなかった。
この本では、原因究明に入る前の確認すべき事項、のような扱い方。 しかも、
その流れの中に、部分的ながら決定分析もからんだりで、やや混然、でした。
*
4パターンの勢揃いは、1981年
" The New Rational Manager " でのこと。
どこかでご紹介した通り、これもやはり産能大から、「新・管理者の判断力」
として日本語化されています。 その第2章、第3章は原因究明「問題分析」、
第4、5章が「決定分析」、第6章は「潜在的問題分析」、そして第7章が
「状況分析」。 <前置き>の第1章、<技法活用>の第8章、<技法定着>
の第9章、という構成。 バランスは<旧>と比べ、格段に良くなりました。
そして私の初受講時には、<研修の順序>は全く<本>での順序そのままに
出来上がっていました。 そのため<よく出る質問>がさらに一つ。 即ち、
「何が起きているのか?」という<最初の疑問>を扱うのが「状況分析」。
なのに、それの解説が<最後>に回されるのは何故か? です。
* *
それは著者に訊いて欲しいところですが、別に不思議がる必要もありません。
すでに述べた通り、「状況分析」は<他の3パターン>を全て網羅するので、
それら3者を先に理解して頂かないと状況分析の解説がしにくい、受講者も
分かりにくいことでしょう。 即ち、研修運営上の必要から、です。
たしかに現実の思考は、<色々思いめぐらす>、つまり状況把握から始まる
のが普通かも知れません。 が、目前に「大変だァ!」が降って湧いたら、
「何故だ!」と反応する人は多い。 それは原因究明へ走ろうという心理。
また、ダイナミックな人は「対策せにゃ!」。 決定分析へ向かう、、、
つまり、必ず「このパターンから、、」としなければならないものではない。
とは言うが管理職たる者、常に全体的把握が出来ていなかったら、それこそ
モンダイでしょう。 絶えず周辺に目を配り、何が課題であるか、どれから、
どの思考パターンで立ち向かうか、を明確にする役目。 状況分析は不可欠。
結局、管理職は4パターン全部をマスターしておく必要がある、ということ。
* * *
だが、決定は<上>の話、自分はそれを実施するだけ、という人もいます。
ならば潜在的問題分析で応じるのが有効。 ですから、それを先に学ぶ、
あるいは取りあえずそれだけを、、、と望んでも、誤りではない。
ところが、(いずれ機会があれば説明するとして)潜在的問題分析を行なう
中で、原因を推定したり、対策を選んだりする部分もかなりあるのです。
そこでは当然、問題分析や決定分析の知識が必要、、、でしょうから、、、
結論:4パターンすべてを知っておくに越したことはない。 それなら、
* * * *
「4パターンもやらなきゃならない」マイッタナ! のマイナス思考より、
「たった四つマスターすればOK」なんでしょ? のプラス思考がお奨め。
腰がひけていては、修得も活用もままなりませんぞ。
研修の標準コースは2泊3日、約30時間。 そんな時間、、、無い?!
どんな技法を学ぶにも、そのくらいは、、、ねえ、、、 困りましたな。
しかし「おたすけマン」方式なら、時間の制約や足を運ぶ面倒とは無縁。
しかも題材はご自身のもの、作り話ではないから身に着きやすい。
一度マスターすれば、何にでも、どんな段階でも応用でき、どこへ出ても
徒手空拳で余裕綽々。 いつ学んでも、遅すぎということが無いのも特長。
アハハ、またまたCMになってしまいました。
■竹島元一■
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